2015年1月 壽初春大歌舞伎 |
テレビや雑誌では新春浅草歌舞伎をガンガンと推しているのですが、私は断然こちら、歌舞伎座です。
夜の部は「番町皿屋敷」「女暫」「黒塚」と贅沢なラインナップです。
まず、岡本綺堂作の「番町皿屋敷」は、会談ものではなく、男女の純粋な愛ゆえの悲しいお話。
舞台も大仕掛けはなく、場面転換も少ないところを、丁寧な心模様の表し方を必要とするため、役者の力量が問われる演目ではないでしょうか。
吉右衛門様と芝雀さんの息のあった恋人模様がせつなく、お見事の一言です。
一幕見席でもう一度観に行きたい。
次に、「女暫」。
こちらは、イヤホンガイドによると、市川宗家の流れをくむ役者さんが出ていないと出せない演目だそうです。
また、巴御前には女性の品と力強さの双方を兼ね備えていないとならず、大変な難役だそうでです。
最後には、吉右衛門様演じる舞台番辰次が出てきて、お土産演目です。
本筋も見応えあり、最後にもお土産気分ありの誠に初春らしい演目でした。
最後は「黒塚」。
猿之助が平成20年以来の歌舞伎座に立つということです。
襲名の際に「どこまで歌舞伎座の舞台に立たずに行けるか」みたいなことを言っていたので、ようやく来たか!という気分です。
あらすじだけでは、なぜこれを初春大歌舞伎に?と腑に落ちていませんでしたが、観てすっきり。
猿之助、さすが!の一言です。
「猿翁十種の内」である黒塚は、名作でした。しかも名曲、名演出。
ちなみに、解説によるとロシアバレエの動きも取り入れているとのことです。
夜の部、本当に良かったなー。
3等席なら何回観られるのよ!?なんて無粋なことを頭をよぎりますが、こうしてお寿司を広げてお酒を呑めるので、幸せ幸せ〜。
※2月には、大阪松竹座で「曽根崎心中」が再上演。松竹さん、そりゃないよ。。。