平成27年4月大歌舞伎 昼の部(歌舞伎座) |
大石内蔵助 扇雀
岡平実は高村逸平太 染五郎
大石主税 壱太郎
妻およし 孝太郎
母千寿 東蔵
赤穂浪士ものは歌舞伎ならずも年末となればテレビでもよく演りますが、碁盤太平記は仮名手本ではなく、討ち入りの前までを描いています。
大石内蔵助、主税の親子、夫婦の別れを描いた作品。
どちらかというと今回襲名披露をしている鴈治郎より扇雀を好みとしているので、初見であるこの演目を楽しみにしていました。
個人的に、扇雀丈のすっきりした立ち役がとても好きなので、さて、内蔵助をどう演じているのかと。
結果をまとめるとですね、ご本人の知性がどうも見え隠れしてしまっており、登場の際の太鼓持ちや芸者を引き連れての帰宅時など、ダメな雰囲気だけをまとっているべき箇所にも、どうも隠せていない。
もっともっと身内に愛想を尽かされるほどに遊びに狂わないと。
(一方、岡平が実は間者であることを明らかにした後半以降は、器の大きさや、親として夫として、武士として厳しさを見せつけていました。)
甥である壱太郎も、行儀の良さと素直さが出た主税を演じており、母との別れに涙を誘います。
他に、染五郎の岡平や東蔵の千寿など、配役も文句無し。
六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)
小野小町 魁春
僧正遍照 左團次
屋康秀 仁左衛門
在原業平 梅玉
喜撰法師 菊五郎
祇園のお梶 芝 雀
大伴黒主 吉右衛門
みよ、この配役!
贋治郎襲名で大幹部集めましたー!!な状態です。
正直、大したストーリーはないのですがこれだけの幹部を集めると、登場して踊ってセリフを言うだけで、決まるのがさすが。
左團次丈の色欲のある僧正、仁左衛門丈の色男の文屋、菊五郎の女好きの喜撰、吉右衛門の大物の黒主、どれもご本人と役がリンクしているように見えて、さすがの一言です。